自家発電を行うとなると、発電ボリュームが気になる場合があります。
太陽光発電の発電量は、どの方角に、どれだけのソーラーパネルを設置するかで大きく変わります。なので、どれだけの量を発電できるかは個々の家庭によって違いますが、それでも、おおむねの目安のようなものはあります。
発電量の目安
発電量は、複数の要素に関わってきます。例えば、出力に関する要素です。
そもそも太陽光発電には、出力に関する様々な違いはあります。比較的多くの電力を生産できるパネルもあれば、そうでないタイプも存在する訳です。やはり出力が大きなパネルは、それなりに多くの発電量が見込めることになります。
それと斜面日射量という概念があります。全てのソーラーパネルを南向けに設置した場合と、北や東、西などにも設置した場合とでは、やや発電量が違ってきます。その数字が高ければ、基本的には発電量も多くなってくる訳です。
そこで、大体の太陽光発電の発電量は「日射量×システム出力係数」で求めることができます。(システム出力係数は太陽光発電の過程で様々な要因からの熱損失をあらわしたもので、春と秋は0.85、夏は0.8、冬は0.9なので年間通して約0.85の値になります。)
また、射出量は地域によって異なりますが、おおむね3.75kWh/平方メートルですので電力生産量は1日には3.1875kWh程度、年間になりますと365日を掛け合わせておおよそ1157kWh程度です。しかし、これはあくまで平均的な数値ですので住んでいる地域によってはこれより大きくなることが予想されます。
「ソーラークリニック」によると県別の平均発電量のランキングは第1位が日射量の多い山梨県の1436kWh、第2位が長野県で1427kWhでした。ワーストを見てみますと1127kWhの石川県以下、902kWhの秋田県まで11県が先ほどの1157kWhを下回っています。この発電量がどのくらいかというと冷蔵庫の年間消費電力量が200kWhですので相当の電力生産量ではないかと思われます。
しかしそれはあくまでも一般的な数字で、実際には様々なロスが生じる事もあるのです。
例えば、パネルに対する温度上昇です。そもそもパネルに関する温度は、一定している訳ではありません。状況によって加熱が生じてしまう事もありますが、それは発電量のロスにつながる訳です。つまり高温ですと、発電量が落ちることになります。
それとパワコンと呼ばれる概念があります。それで太陽光発電による電力は、いわゆる直流タイプに該当するのです。そしてコンセントで用いる電力は、交流に該当します。直流を交流に変換する時に様々なロスが生じる事も多く、発電量が多少限定される事はあります。
このように様々なロスが生じる事が多く、発電量はどれ位になるかは断言する事は難しいです。なお業者によっては、発電量に関する試算をしてくれる事もあります。無料で試算してくれる業者もありますから、どうしても発電量を知りたい時には、そういったサービスを利用してみるのも一法です。